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福島で被災…「遠い未来では歴史に」 作家・冲方丁さん









福島で被災…「遠い未来では歴史に」 作家・冲方丁さん

拡大写真
作家・冲方丁さん(宮川浩和撮影)(写真:産経新聞)



 −−『光圀(みつくに)伝』の執筆中に東日本大震災が起きて、ご家族で福島市から一時避難されましたね



 冲方 家は無事でしたし、即死するような放射能じゃないとは思ったんですが、ライフラインも断絶していたし、出ざるを得ないと判断しました。(連載中だった)雑誌も出ない可能性がありましたが、原稿は、新潟から北海道へ移動しながら書き続けました。体を壊して、声も出なくなり、睡眠薬なしには寝られないような状態でしたけど。腹が立ってましたね。「こんなことで書けなくなってたまるか」って。



 −−戻られたと聞きましたが、いま生活は…



 冲方 家族は東京にいて、僕の仕事場が福島にあるので、往復しながら暮らしています。福島では「時が止まってる」ってよく言ってますね。まだ放射線量の高い場所もあって、家庭向けの「除染マニュアル」なんかも配られていて。庭の枝を切ったら捨てずに保管してというんですが、どこに捨てるんだろ…とか。



 −−作品への影響ですが



 冲方 震災の前後で自分が変わってしまったのは、もう仕方がない。あれだけの体験をしたら、同じ人間ではいられません。ただ作品には一貫性が必要なので、そこは自分を律して書いていました。明暦の大火とか、人が死んでいく場面で、筆が止まらなくなるんです。ぐっとこらえて。



 −−作中で、光圀に「どれほどのものが失われ、奪われようとも、人がこの世にいたという事実は永劫(えいごう)不滅だ」と言わせています



 冲方 誰かが生きたということが、次に生きる人たちのためになる、何かにつながっている。そういう確信がなければ、社会に対する信頼がなくなる。自分さえ信じられなくなる。究極的に、人の存在っていうのは、どんなことがあっても無ではない。人は何のために歴史を観(み)るのか。引き継ぐべきものが、そこにあるからだと思うんです。



 −−この小説の背後に響き続ける言葉ですね



 冲方 震災も、遠い未来には歴史とされる出来事です。渦中にいる身としては、あわてて結論づけようとしないことが大事かな、と思ってます。



 −−前作『天地明察』は直木賞候補になって、異例の発表待ちパーティーを催されましたね



 冲方 ああいうのは、お祭りにしたほうが盛り上がるでしょう。先日のロンドン・オリンピックを見て再確認しました。負けた側もテレビに映るっていうのは大事なんです。機会があれば、またやりたいですね。いつになるかわからないですけれど。



 −−その『天地明察』が映画化されて公開中。原作者としての感想を少し



 冲方 うまいなぁと思いましたね。自分で言うのもなんですけど、複雑で面倒くさい話でしょう(笑)。碁打ちが暦を作るんだけど、暦っていうのはそもそも…と説明しはじめるときりがない。それをちゃんと混乱しないようにパッパッと見せていく。



 −−気に入った場面は



 冲方 一番は、主人公の刀をヒロインが差し直してあげるシーン。あれ、原作では男同士なんですよ。でも、男女の距離感っていうんですか、2人の関係にふっと焦点が合うような感じが、すごくよかったですね。見たあと、文庫では書き直しちゃおうかと思ったぐらい(笑)。(篠原知存)



「この記事の著作権は産経新聞 に帰属します。」





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